「うん?お兄ちゃん。あっおかえり」
「おう、ただいま。遅くなってわりーな。色々あってさぁ~」
「ううん、全然いいよ」
美咲が眠たそうな声で答えた。
「どうする。今日探しにいくか?」
「うん。いつまでもお兄ちゃんのトコにいらんないもん」
「よし、分かった。俺はいつでも出発できるぜ」
「うん、あたしも」
美咲ははりきった声で答えた。ハルと美咲は五時ごろ家を出た。前と同じように大江戸線で行き今度は六本木の駅で降りた。六本木もクラブなどが多く。もしかしてとハルは感じたからだ。しかし、青木美由紀という人物を知る手がかりさえつかめなかった。そして今度は前回の途中までしか回ることのできなかった銀座へ再び足を運んだ。しかし、銀座のクラブでもいい情報を聞き出すことはできなかった。