「…大ちゃん。」

もう1度

大ちゃんの名前を呼ぶ。


「…聞こえてるよ。」


大ちゃんが笑いながら返事をした。





「あたしね、卒業したら県外の大学に行くんだ。」



「…そっか、頑張れよ。」



『頑張れ』なんて言葉はいらないのに…。



「…うん、……あたし達、ずっと仲良しだよね?」


離れても仲良しだよね?



「…はは、当たり前だろ。」


大ちゃんは何気なく返事を返す。



そうだよね。

仲良しだよね。



友達、


それだけで良かったのに…


あたしの頭の中が



それを許さなかった。