「はぁ…血が止まらねぇ…。」


冬馬がポツリと言った。


「血ぃ?まだ出てんのかよ?」


「そーだよ…。……ほら。」


冬馬がズボンの裾を捲るとそこからは真っ赤に染まった右スネが出てきた。


「うぉっ…!!こりゃひでーな…。今すぐ保健室行ったら…?」


「そーするわ。お前どうする?」


「ん〜…あと5分で7限目終わりだろ〜?」


冬馬の問いに悩む俺。

その俺の反応を見た冬馬が口を開いた。


「じゃあ屋上行かねぇ?キャッチボールしたいしさ。」


おっ、いい考えだ。


「そ〜だな。んならば、先に屋上行ってるわ〜。」


「おぉ。俺も保健室行った後にすぐ向かうわ。」


「お〜らい。治療ついでに美月ちゃんの愛をたっぷり貰ってこいよ。」


「バーカ。あの人苦手なんだよ…。」


冬馬は苦虫を噛んだような顔をした。


そんな会話をしながら屋上と保健室に向かう俺と冬馬。


あ、


「冬馬ぁ!!俺のグローブさぁ、教室に置きっぱなしだった!!」


「ちゃんと屋上に2つあるから安心しな−!!」


「…さすが冬馬。」


準備済みの冬馬に感心した俺は屋上へと向かった。