「…肩が……?」

「そう…。元々ピッチャー向きの投げ方じゃなかったんだ。だから…簡単に壊れちまった。」

冬馬くんは悔しそうな顔をした。


「それからしばらく…奏太は学校に来なかった。家まで会いに行ったけど、スッゲー落ち込んでたみたいだし…顔すら見せてくれなかった。」


「………。」



「そしてそのまま……引っ越してしまったんだ。」


「え…?」



「奏太がそれを望んだからなのか、親の都合なのか…それは分からない。…あの時は携帯なんて持ってなかったからな。今じゃ連絡のしようも無い。」


「そんな…。」



「だから何も知らないんだ。」