「ふぁ〜あ……平和だ。」


ピンポンパンポ〜ン♪

校内放送の音が流れた。この音でさえ心地よく感じる。


「あ〜いい天気だ…ってか冬馬遅い!!」


あまりに冬馬が遅いからイライラしてきた。


「何やってんだ…ったくよ。」


文句でも言わないとやってられない。

と、その時


キィン…

「外野バックだー!!もっとバックー!!」

「よっしゃー!!3ついけるぞ回れ回れー!!」


野球部の元気いい声が聞こえてきた。どうやら紅白試合をしているらしい。


「おぉ〜、頑張ってんじゃんあいつら。」


俺は後輩の姿を微笑ましく見ていたが、急に夏の最後の試合を思い出した。


「あ〜クソッ…!!絶対あの試合勝てたよな。俺がちゃんと打てば…あ゙ー!!クソッ!!」



「荒れてるね〜大ちゃん。」


怒り狂う俺の背後から凛とした声が聞こえた。


後ろを振り向くとそこにいたのは


「遠藤か…。」


スラリとしたスタイルに、肩にかからない短めの髪が特徴の女の子

遠藤美咲がいた。


ちなみに同じクラスであり、野球部マネージャーでもあった。