キーンコーンカーンコーン…



放課後の静かな教室に

最終下校を知らせるチャイムが響き渡る。






そこには2人の影。






つかず離れずの微妙な距離を保ったまま、

それらは少しも動かない。



「あのさ」
「ねぇ」



「「………」」



「あ…俺先いい?」


「いいよ」




近づく2つの影。


徐々に陽は沈む。



教室はオレンジ色に変わり

窓から差す光のせいか
赤みを増す頬。




「俺と…付き合って下さい」


目が合う2人。


「優ちゃんが大好きです」




「……あたしも大好き」





そして2つの影は

どちらからともなく
静かに重なった。