「でさ!!あの例の作戦だけど、早速今度の土曜に実行しない?」
目をキラキラ輝かせる綾が、私に耳打ちした。
「計画って、うちのお父さんと綾のお母さんをくっつけるってヤツ?」
「そうそう!!」
綾は興奮気味に私に顔を近づけた。
私は、ドキドキする胸を隠すかのように落ち着いて答えた。
「土曜?まだ何も計画してないのに、実行できんの?」
「私、夜中眠れなくてずっと考えてたんだぁ」
私は、綾が眠れない原因は何だろうと思った。
でも、嬉しそうな綾の顔を見ていると、それを聞くことをためらってしまう。
「おっさんに協力してもらうの。おっさんが、うちのお母さんに声をかけて、それを鈴音パパが助ける、みたいな」
頭の中でその状況を想像してみたけど、お父さんが助けるかどうか微妙……
「そんなドラマみたいにうまく行く~?」
「わかんない。でも、おっさんは、お母さんの嫌いなタイプだから、絶対に嫌がると思うんだよ!それを見た鈴音パパが……無理かな?」
なくもない。
だって、お父さんは女好き。
「ありえるかも」
「でしょ~!!」
盛り上がって来た私と綾は、英語のノートに計画を書き始めた。