あの計画は、実行すべきじゃなかった。



でも、あの計画のおかげで、私も綾も人生に光が見えた。



家庭の中に居場所ができた。




神様っているのかな?って生まれて初めて思ったりした。





「バレンタインだね。もうすぐ」


「あー、私には関係ないけど」


「何、言ってんの?拓登に渡したいでしょ?」


「でも会えないし」


「鈴音は、本当にマイナス思考だよね。絶対に見つけるぞ!!って気合が足りないよ」





バレンタインかぁ。


拓登は誰と過ごすんだろう。




会えない時間が長くなればなるほど、拓登との時間が夢だったんじゃないかと感じる。




拓登の心の中にまだ私の存在があるのかどうかも不安になる。




「誰だっけ?」って冷たくされる夢を何度も見た。






拓登は、元カノと一緒に楽しい時間を過ごすんじゃないかって勝手に想像して、落ち込む。