ほのかに香る拓登の匂い。
私も拓登に体を預けた。
お互いの体重が重なり合う感じ。
体が軽い。
「誰にも話したことはなかった。思い出すのも辛かった。どうしてお前に話しちゃったんだろうな」
「惚れてんじゃないの?」
「ば~か!」
わかる。
わかるよ、拓登。
私がお父さんとのことや家庭のことを全部さらけ出したから、拓登もさらけ出してくれたんだ。
自分の弱さを見せることで、私も守ろうとしてくれた。
何となく、“私の為”って感じがしたんだ。
“弱いのはお前だけじゃない”って拓登に言われた気がした。
きっと拓登はそう伝えたかったんじゃないかな。