瞬きをしない拓登の瞳は、夜なのにキラキラしていた。



拓登の方がずっと苦労している。


私のわがままなんかと比べ物にならないくらい。



「そ、それで?」



「ん?彼女は、退学した。俺の知らないところでいろんなことが起こってたんだ。反対されても俺は別れないと彼女にはっきり言ったんだけど、それが最後になった。ショックで手首を切った。命に別状はなかったけど、俺はそれから一度も会えないまま・・・・・・」





本当にドロドロしたドラマみたいだと思った。


彼女は拓登のことを本当に好きだったんだろうな。


拓登は、彼女を大事にしていたんだろうな。





「お見舞いに行っても、彼女の両親から二度と来ないで欲しいと頭を下げられた。当然だよな。俺のせいだもん」


「彼女の気持ちは?」



「本当のところはわからない。でも、彼女自身がもう俺には会いたくないと言っているって・・・・・・ 何もできなかった自分を責めたけど、過去に戻ったとしても俺は結局何もできなかったと思う」