1時間くらい私達は眠っていた。
夢ばかり見た。
私がマンホールの上で拓登を待っているのに、拓登はなかなか来なくて。
私は泣きながら、拓登を呼ぶ。
でも、拓登はいくら呼んでも来ない。
そんな夢。
いつかこの夢が現実になる。
そんな気がした。
拓登は、私が好きになっていいような人じゃない。
遠い遠い世界の人なんだ。
拓登に愛される資格もないけど、愛する資格もないんだよ。
私なんかには。
「朝日・・・・・・見れっかな」
同時に目を覚ましたようだ。
「ん?」
「朝までここにいたことはないけど、ここから朝日、見れっかなと思って」
「あのビルの間から見えそう・・・・・・」
私は、真っ暗な空を見るフリをして、拓登の横顔を見た。