拓登の肩の頭を乗せて、目を閉じた。
ラグビーやってたんだよね。
そのせいかな。
肩の筋肉がガッチリしていて、落ち着く。
「拓登、彼女いるの?」
ちょっと睡魔に襲われたせいで、ずっと聞きたくて聞けなかったことを聞いてしまった。
「いねーだろ。いたら、こんなことできるかよ」
「こんなことって?私と拓登は友達でしょ」
睡眠不足のマジックだ。
素直に何でも聞ける。
「そうだけど。彼女が見たら、誤解するだろーが」
「拓登の彼女は幸せだろうな」
「それは違う。俺の彼女なんて、ちっとも幸せじゃねーよ・・・・・・」
それっきり拓登は黙った。
私は、また新しい拓登の秘密を覗き見た気分になった。
拓登には、好きな人がいるような気がした。
忘れられない人・・・・・・
きっと、誰かをとても愛している。