生徒会室へ入り、資料を机の上に置くと同時にチャイムが鳴り響く。

ふぅーっと小さく息を吐いた。


何だか疲れた。

今日は、よく先生の事を思い出す日だし。

もういいや。
次サボろ。


そんな事を考えながら、近くにあった椅子に座った。



「サボるの?」



突然、後から聞こえた声に体がビクッとした。


振り返ると、

そこには私を見下ろす橘先生。



「せっ……先生?」

「山口さんがサボリね」



山口さんか。

もう2人きりになっても

“流湖”

って呼んではくれないんだ。



「橘先生は何してるんですか?
私に資料運ばせたのに、ここに居るなんて」

「会いたかったからって言ったら?」



嫌味っぽく言ったのに、ニヤッと笑い言い返された。

先生は、すぐはぐらかす。
そして私の反応を見て楽しんでるんだ。


何が本当で。
何が嘘なのか。

わからない。