「あっ」 「あぁっ」 2人の声が重なった瞬間、上から落ちてきた本。 放課後の図書室。 返却された本を、脚立なしでギリギリ届く本棚に背伸びをしてしまうところだった。 のに、背の低いあたしは失敗して……。 床には散らばった本が数冊。 目線をさっき重なった声の相手、碧君へと向けると、呆れ顔。 う……、これって怒ってるよねぇ? 先にしゃがみ込んで落ちた本を拾う碧君を見て、慌ててあたしもしゃがみ込んだ。