クスクスと笑い声が聞こえ、



「ばーか。
これ以上したら本当に
熱出しそうだし、しねーよ」



そう言われて、ホッとしたあたしと。

残念に思った、あたしがいた。



何、残念に思ってんだろっ?

あたし、変になっちゃったのかなぁ?



布団の隙間から覗かせた目を見て

『ん?』

と首を傾ける碧君。


首を横に振るあたし。



「寝てもいーよ」

「……うん」



そして


あたしより少し冷たい指先に、自分の指を絡めた。

ちょっと驚いた顔をした碧君は、優しく握り返してくれる。



少しずつ遠のく意識の中で。



だから危機感がないって言われるんだろうな。って思った。


さっき、あんな事をした碧君の手を握りながら、鍵の閉まった部屋で2人きり。



そして何故か、眠りに付こうとまでしている。