「先生……っ」 そんな苦しそうな声で呼ぶな。 「ちょっと……」 そんなに強く胸を押し返して嫌がるなよ。 「離してってばっ」 「……嫌だ」 「……は?」 きつく抱きしめた流湖の体から力が抜けた。 「嫌って何ですか?」 「……嫌だから、嫌ってんの」 って、俺は何歳だよっ! いくら離したくないからって、こんな言い方するか? 自分自信に呆れ返り、抱きしめた腕を緩め離そうとした、その時だった。