「本当?・・・それは、ほんと?」
泣きながら猛の首に腕を回す。
嬉しくて、嬉しくて・・・
「だから。嘘付くわけねーだろ?マズいわけねーじゃん」
「でも・・・」
ぎゅっと猛にくっつくと、猛もぎゅっと抱きしめてくれる。
「お前が作るものならなんでもうまいって。」
普段そんな事言わないから、すごく恥ずかしい。
「・・・私のは食べれるの?」
「あ?」
「あ、あの千代が猛は手作りのものとか嫌いだって・・・」
調理実習の話を思い出して、猛に聞く。
「ああ。好きな女以外のなんか食いたくもねぇし。汚ねぇ」
きっ汚い!?
「お前のは別だけどさ・・・」
私だけは、特別なのかな?
そう、思っていいのかな?
「ってかさ。帰ろうぜ」
「え?まだ授業・・・・」
「サボり」
「・・・」
「つーか、お前に拒否権は無いけどな?」
半ば、抱きかかえられて教室に戻りカバンを持つ。
友達にバイバイをし、学校から少し離れた所に置いてある猛のバイクにまたがる。
「どこ行くの?」
「・・・・・」