昼休み。猛の教室へ行く。
もちろん手には二つのお弁当。
どうしよう。いらないって言われたら・・・・
ドキドキと心臓がうるさい。これを見た瞬間の猛の表情を見るのが怖い。
そう思ってたら勢いよく開いたドア。
目の前にはあの女の子。
「あれ~?猛の彼女ちゃん?・・・・あっ」
チラッと私の持ってるお弁当を見る。
「あ~!久し振りじゃん。愛妻弁当!」
目上から言われ、バカにでもされてるような目つき。
お弁当を持っている手が震える。
目には涙がたまって、やっぱり作らなきゃ良かったかな?と思ってるといきなり肩を抱かれ、持っていたお弁当が奪われる。
「た、ける・・・」
肩を抱かれた相手を見ると、少し怒ったような顔をした猛だった。
ポロっと一粒涙が垂れて、それを必死に隠すようにセーターの袖で目をこする。
「うるせぇんだよ。黙れ」
その女の子の顔を真っ直ぐに見て、猛はそう言った。クラスがしーんとなるのを感じて、猛は私の肩を抱きながら屋上に向かった。