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「澄子ちゃん!猛は?」
「うー!携帯出ないんだよ~」
時は過ぎて、3月。
離れていた時間は沢山あったけど、ようやく春がやってきた。
慣れない勉強をする猛は、時にはイライラしているときもあった。
だけど私の前ではそんな姿を隠そうと優しく接してくれた。
何度も挫折しちゃうんじゃ無いかって心配だったけど、猛は負けなかったんだ。
強い意志で、最後まで頑張ったんだよね?
きっとそこには何か大切な目標があったからなのかな?
「今日、合格通知が来る日だろ?猛のやつなんで携帯出ない・・・」
はっ、っと急に青ざめる麻生君。
「もしかして・・・落ち・・・」
バチン!!っと麻生君の背中を叩く。
「もう!不吉な事言うの止めて!絶対合格してるんだ「お前ら、うるさい」
ギャーギャーと麻生君と騒いでいると、後ろから低い聞きなれた声が聞こえた。
合格通知が送られてくる日、私と麻生君はあまりにも心配で猛の家まで来てしまっていたの。
「た、た、猛っ!!」
あわわっとなりながらも、とりあえず抱きつく私。
ギューっと抱きしめて猛の胸に顔を埋める。
「猛・・・結果は・・・」
恐る恐ると言う感じで麻生君が話を持ちかけた。
心臓が飛び出すってこんな感じかな?
ゴックンっと生唾を飲み込み猛の返事を待つ。