「お前が男と話してるだけで、殴ってやりたい位だった」


付き合っていないと言う不安は、私だけじゃなかったんだ。


「猛・・・もしね?あのまま別れていて・・・」


「ん?」


抱きしめ合っている形から、向き合うように座りなおす。


「それで、3月に受験が終わったら・・・」


震える唇から、ずっと心にあった不安を伝えていく。


“迎えに来てくれた?”


そう言いたいのに言葉にならない。


「ヒッ・・・」


両手で口を塞ぎ、こみ上げてくる涙をこらえる。


私はね?


何年でも待っていたと思うよ。



猛の受験が終わるその日まで、ずっと待っていたと思う。



だけど猛は?


受験が終わったら迎えに来てくれたかな?


“終わったからまたやり直そう”


そう言ってくれたかな?


「・・・当たり前だろ」


・・・え?


「お前に違う男が出来てたとしても、また無理矢理奪ってたよ」



え?え?


私まだ何も言ってないのに・・・


「また付き合ってくれ、そう言うに決まってんだろ?」