「ハァ、ハァ・・・」


教室を出て、ひたすら走ってたどり着いたのは屋上だった。


無意識のうちに階段を駆け上がっていたみたい。



「なんで、こんな所・・・」


ここは思い出が詰まった場所なのに。


猛との時間がたくさん刻まれている場所なのに。


「うっ・・・」


ぺたりと座り込み両手で顔を覆った。


「うわぁーんっ・・・」


今まで我慢してた何かが音を立てて崩れて、子供のように大声で泣く。


泣いても泣いても涙は止まらなくて・・・


我慢していたものが全て流れ落ちていくかのように、涙となって零れ落ちる。


どうしたら良いんだろう。


猛が好きって気持ちをどうしたら忘れられるの?


待っていれば、忘れないで良いんだって思ってたのに。


無理だよ、


無理だよぉ・・・


私の心は猛しかいないのに。


猛を忘れたら、もう恋の意味も分らなくなっちゃうよ。



「猛っ」


ここで毎日お昼を一緒に食べたよね。


くだらない話も黙って聞いてくれたよね。


膝枕もしてくれた・・・


キスもしてくれた・・・


ギューって抱きしめてくれた・・・


「うぅっ・・・」


身体に刻み込まれてる猛との時間がギシギシと痛むよ・・・