「でしょ?柚木君にまた気を使わせちゃうよ」
「あ・・・」
そうだ・・・彼女じゃなくなったのは、猛に気を使わせない為だ・・・
「澄子!あっち行こう?」
千代に引っ張られ、連れて来られたのは猛の好きな服のショップ。
「ショップのマフラーなら、そんなに高くないし!ね!」
探すぞー!っと、大きな声で気合を入れ、店内を歩き回る千代。
「ありがとう、千代・・・」
そうだよね?高くなくたって、好きなブランドじゃなくたって良い。
猛の首が温かければ良い。
猛が風邪を引かなければ良い。
「よーし!探すぞー!」
グイっと涙を拭いて、千代同様お店の入り口でそう叫び店内に入って行った。
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「・・・」
どうしよう。すごい緊張する。
手には、この前千代と買いに行ったプレゼントのマフラー。
猛・・・受け取ってくれるかな?
「あれ、澄子ちゃん?」
猛の教室のドアの前で迷っていると、後ろから声をかけられた。
「あ、允君・・・」
猛のお友達の允君。
「猛?呼ぼうか?」
ガラっとドアを開けてしまった允君に、決意を固める。
軽い感じで、「プレゼント!」
そう言って渡せば・・・良いよね?
「・・・」