1日の授業が終わり今日も調べ物があると言い、澄子を先に帰した。


用事が終わり、時計を見ると針は5時を指していた。


「・・・早く帰ろ」


ガラガラ、っと教室のドアを開けると思いがけない人物がいて驚いた。


「賢?」


「おう」


こんな時間までこいつ何してんだ?


「猛を待ってたんだよ」


は?


「ちょっと話そうぜ」


そう言うと、賢が座っている前の席を指差した。


座れって事か?



黙って席に着き、足を組む。



「なんだよ」


こんな改まって男と話すことなんかねーし。


それより早く帰りたい。


「なんだよ、じゃねーよ」


いつになく真剣な顔をしている賢を見て、何が言いたいのかが分った。


「・・・」


いつもザワザワと騒がしい教室は、俺と賢だけしかいないのでシンっとしている。


「澄子ちゃん、もう限界じゃねーか?」


「・・・」


「ちゃんと話してやれよ」


賢の言いたい事も分かる。だけど・・・


「今の状態は、ハッキリ言ってお前のエゴだよ」