「名前は書いてなかったのー?」


次の日、親友の千代に報告をした。



「そうなの。・・・これなんだけど」



もらった紙を見せると、千代は嫌そうな顔をした。



「でもさ?名前かかないっておかしくない?いきなり連絡下さいって怖いよね?」



いつもはボケーっとしてる千代が、意外と真剣になっている。



「だよねぇ?まぁ連絡する気はないし・・・ほっておけば良いよね!」


「だね!」



問題は解決したと思い、そのもらった紙も小さく折りたたみ猛の目に付く前にゴミ箱に捨ててしまった。



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「澄子今日先帰ってて」



「え?どうして?」



「ちょっと進路のこととかで担任に呼ばれてんだ」



「そっか!分った」



悪いな、っと言いながら猛は教室に戻って行った。



今日は千代も彼氏とデートって言ってたし、一人かぁ。



一人での下校は寂しいもので、少しテンションが下がってしまう。



「帰ろっと」



そう呟き、いつものように下駄箱へと向かった。