痛い・・・


「・・・」


階段で先輩達に会い、そのまま連れてかれて思いっ切りお腹を蹴られた。



トイレに入り、制服のYシャツをめくってみる。



「っ・・・」


そこには真っ赤な痣ができていた。


「絶対明日青くなりそう・・・」


ズキン、とお腹に痛みが走る。


「猛・・・」


先輩達が蹴りながら言った言葉



“別れてよ”


“実際、マジで釣り合ってないから”


【釣り合ってない】



「・・・蹴られたことよりきついなぁ・・・」


言われなくても分かってるよ・・・


猛は格好いいし、背も高いし・・・


「痛い・・・」


洋式のトイレの便座に座り、お腹を擦る。


制服のポケットに入った携帯は先ほどから着信を知らせている。


分かってる。


相手は猛だってこと。



でも、今はダメ。


こんな泣き顔は見せれない。


猛は、きっと自分を責めちゃうから。


私がこんな事になったって言ったら自分を責めちゃう。


それに、こんな事で負けたくないよ。


猛を好きな気持ちは誰にも負けないんだから。