「嫌だよ、猛に前膝枕してあげたらエッチな事したんだもん!」
・・・エッチな事って。小学生かよ。
「ただスカートん中に手突っ込んだだけだろ?」
「~~!だからそれがエッチって言うの!バカ!」
恥ずかしかったのか、上に向けていた顔を、下向きにごろんと変えた。
・・・
「反応するからやめろ」
「ぎゃひ!」
意味が分かったのか、急いで上向きに戻る澄子。
・・・どかねーのかよ。
「猛、空綺麗だね?」
寝っ転がっている澄子の視界に入っているのは、雲一つない空。
「昨日はすごい雨だったのに・・・」
「だな」
「また、雨降らないかなぁ?」
「なんでだよ?」
雨が降っていい事なんて無いだろ。
「そしたらさぁ?また猛の家で雨宿りできるでしょ?」
寝っ転がったのと、泣き止んで眠くなったのか目をまどろませながらそう呟いた。
・・・
眠りに落ちそうな澄子の髪を撫でてやると、少しくすぐったそうな顔をしたまま眠りに着いた。
「・・・雨なんか降らなくたって、普通に来ればいいだろ」
俺はそう呟いて、眠った澄子の額に唇を落とした。
俺は、この穏やかな時間をかみ締めていた。