『違うの!』


違うんだよ・・・。とっても嬉しいの。嬉しいんだけど・・・。


「何かさ・・・俺だけなのかと一緒だって舞い上がってるみたいでさ・・・。」


えっ・・・?


舞い上がってる・・・?


「なんか・・・期待してて・・・。もしかしたらってね?ハズイな・・・俺・・・。」


『違うよっっ!!私はただ・・・あがってて・・・。』


衝動的に口が動いた。


あなたにだけは・・・カンジガイしてほしくないの・・・。


「なのか・・・?」


『私・・・江村のことが・・・好きだから、あがっちゃって・・・恥ずかしくて。』


江村がそっとこっちを向く。


ジッと私を見る。


私は一瞬、目を合わせてすぐに下を向く。


江村はそんな私を見てギュッと抱きしめた。


『ふぇ!?』


いきなりで何がなんだか分からなくなった。


唯一分かったのは、江村のうるさいくらい鳴ってる心臓の音・・・。


私と同じだ・・・。


「期待・・・していいの?俺・・・。」


江村が珍しくテンパッている。


それがどことなく可愛くて。


『う・・・ん。』


ショップの影で、静かなはずなのに2人の心臓の音でいっぱいになる。


いきなり江村の腕の力が強くなった。


『江村?ちょっと痛い・・・。』


江村はそんな私の言葉を無視して私の肩に頭を乗っける。


ち・・・・近い!!


ヤバイよ・・・心臓が破裂しちゃうよ・・・。


「好きだ・・・。」