いつ以来だろう。

こうやって女に抱き締めてもらうのは。

「…お前が死ぬ時は一緒に死んでやっても良い」

俺は言った。

「心配して貰わなくて結構。あたしが死ぬ前は羽瑠を殺すから」

…物騒すぎる。

毒舌に戻った彼女は、俺から腕を解いた。

椅子の上に膝で立った彼女。

欲情は抑えきれず、病院の休憩室にも関わらず俺達は唇を重ねた。

「…もう少ししたら、行くか」

俺はそう呟く。

窓の外からは、もう雨の降る音はしなくなっていた。




ナミダSIDE
END.....