こんな空を見ると、世界のモノがもしかしたら、泣いてくれていたのかもしれないと思った。

愛されてるって、恋愛感情だけじゃない。

誰かの為に何かをするっていうのは、そこに気持ちがあるから。

その気持ちは、他人から見れば生ぬるくて面倒で鼻で笑われてしまうようなモノなのかもしれないけど。

きっと、その生ぬるい気持ちの中に優しさが入っている。

それは、一種の愛なんだと思う。

「…だな」

同意した羽瑠は立ち上がり、手すりに手をかけて空を見上げていた。

あたしも見上げる。