言葉でも。
他の人でも。

「…行くね」

一頻り泣いた後、あたしは静かに起き上がる。

「あぁ」

「良壱も来る?」

「いい」

「そっか」

「なんかあったらすぐに呼べ」

頬をひと撫でされる。

あたしも珍しく良壱の茶髪を撫で返した。





どうして、完璧なモノはこの世にはないんだろう?

神がこの世の万物を創っているはずなのに。

生きる事は、死というゴールに向かって走る事なら。

生まれた瞬間から、人の生きる時間は死までのカウントダウンなのかもしれない。