教室のドアの所の小窓から様子を見る。



やっぱり、まだ探している。



そこには床に座り、隅っこの方を一生懸命探している、小林がいた。

馬鹿じゃねぇの?

諦めて帰れば良いのに。

それか彼氏に相談すれば良いじゃねぇか。



「はぁ...面倒いなぁ...」

俺はボソッと呟き、教室へ入った。

そして黒板の所まで行き、黒板の上から教科書を取った。



「これだろ?探していたやつって。」

そう言って、俺は小林に教科書を差し出す。

小林は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐにちょっと困ったような笑顔を見せ

「ありがとう。」

って言った。



そういえば、小林と会話したのはこれが初めてだな。