「これ、お前忘れて行っただろ?」

小林に片方だけの上靴を見せる。

「...。」

小林は自分の足元を確認して

「はい...」

と言った。



全く。
心配でほっておけねぇよ。これからも、俺が側にいてついていてあげねぇと。

「足...出して?」

小林はちょっと小首を傾げながら、上靴を履いていない方の足を出した。

俺は小林の足に、上靴を履かせてあげた。

「ピッタリ。」

って俺が言うと

「私のなんだから、当たり前だよ。」

って笑った。



「小ばや...」

そこまで言って、俺は一回深く深呼吸をして

小林有沙の目を見つめた。

「有沙...俺が...お前を守るから。だから...俺の彼女になって下さい。」

そう言って、有沙に手を差し延べた。

小林は笑って、俺の手に自分の手を差し延べながら

「喜んで。」

って言った。



なぁ...

幸せにしてやるからな?