「ミオ…」


少し後ろにいたオミが呟いた。


「ん、なぁに?」


私はオミの隣に移動した。


蜜柑は何かを察したのか、スイスイと先に行ってしまった。


「…聞かないの?
さっきの2人組の事。」


オミが俯きながら呟いた。


「んー…
オミが話したいなら聞くけど?
別に私から聞くのもなって感じ?」


私が笑うと、オミもようやく笑顔を見せた。


「ここのパスポート、父さんから貰ったって言っただろ?
父さん…ここのオーナーなんだ。
だからあの2人はうちの従業員って訳。」


オミが苦笑いを浮かべた。


「…ふーん。
なら納得だわ。」


だから前日でもパスポートが手に入るし、オーナーの息子だからソフトクリームを差し入れたって訳だ。