「中野様ですね?」


声をかけられて振り返ると、プールには似合わないスーツの男性が2人組が立っていた。


「…はい。」


オミは少し眉をひそめながら答えた。


「いつもお世話になっております。
私達はここのブースを任されている者でございます。
ほんの気持ちばかりではございますが、よろしければお召し上がりください。」


そう言って、2人は5人分のソフトクリームを机に置いた。


「わぁ♪」


私は思わず目を輝かせたが、隣にいるオミが苦い表情をしていたので、私は手が出せなくなってしまった。


「…ありがとうございます。」


「いえ、どうぞごゆっくりお楽しみください。
では、失礼致します。」


2人組はそう言うと、飲食店街の方へ戻って行った。