「オミ大丈夫!?」


男に突き飛ばされた肩が、少し赤くなっていた。


「…それはこっちの台詞!
一人で行くなよな!?」


オミが本気で怒っている。


「…ごめん。」


初めて見る表情に驚いたが、なんだか少し嬉しかった。


オミが来てくれなかったら殴られてたかもと思うと、少し体が震えた。


オミは怖い顔をしていたけど、私の顔を見つめるといつもの優しい笑顔に戻った。


「ほら、行こ?」


オミが私の手を握って歩き出した。


「…うん。」


オミと手を繋いでる…


どうしよう…


なんだか手が熱いよ!?


私はオミの少し後ろを黙って歩いた。


一回オミが振り返った気配がしたけど、私は俯いたまま歩いた。


どうしよう、目を合わせられないよー…