私達は早苗と徹を見送ると、プールの流れに乗って泳ぎ出した。


「早苗、今日がチャンスじゃない?」


私が笑うと、蜜柑とオミが頷いた。


「…オミは着いて行かなくて良かったの?」


オミも本当は早苗の事…


あれから妙に引っ掛かっている胸の内を、さらけ出すように呟いた。


「…まだそんなこと言ってるの?」


オミは呆れて笑った。


「違うから。
早苗ちゃんの事は友達として好きだけど、恋愛感情じゃないから。」


急にオミが真剣な顔になるから…


「…そう。」


なんだか安心しちゃったじゃない…


「…熱いわねー…」


少し前を泳いでいた蜜柑がニヤリと笑いながら振り返った。


「確かに今日は暑いよね…」


私は空を見上げた。


最高な青空。


日差しが強い分、プールが最高に気持ち良い。


「「…そっち?」」


蜜柑とオミが同時に笑った。


「えっ?
何の話だったの!?」


「知らなーい♪」


蜜柑はスイスイと先に行ってしまった。


「ちょっと、待ってよー!?」


慌てて泳ぐ私を、オミは笑って見ていた。