もしも…



もしも村瀬が西崎さんにそんな態度をとらせているのだとしたら…



村瀬が思い悩むほど、村瀬は西崎さんに何も想われてないなんてことないんじゃないだろうか。



だとすると2人は…



近い将来、想いが通じ合うんじゃないか…?






今朝、村瀬が握ってくれた手を眺める。



村瀬は…



きっと近い将来…



この手を振りほどいてまっすぐ西崎さんのもとへ走っていくんだろうな…



あの小さな身体を抱きしめるのも…



あのどうしようもない泣き虫の涙を拭うのも…



あの屈託のない笑顔を独り占めするのも…



きっと俺じゃなく西崎さんの役目になる…







俺はまた…本当に大切なものをこの手につかみ損ねる。