「おはよう!」 自慢のでかい声で、クラスに挨拶をする。 みんな振り返って、 「おはよう」 とか 「はよー」 とか返事をしてくれる。 え? 体ばっかり小さい? ……だまらっしゃい! あたしは、席に荷物を置きながら、目の前に見える細長いシルエットに声をかけた。 「おはよう、馬野君!」 「あ、おはよう、斉藤さん」 目をこすりながら振り返った彼は、寝ていたようだ。 めちゃめちゃ普通に読書する姿勢で。