そんな小さな夢を、
もっと小さくしてくれちゃったのが、
───うわ…
「背ぇ高っ!」
思わずでた独り言。
実際、梨子ちゃんに話し掛けたつもりだったんだけど、
斉藤、のよこにはもちろん
岬、はいるはずもなく。
あたしの横には、珍しくクラスにカ行の名字がいないために、
馬野、君が立っていて……
もう一方隣には、坂井、君がいた。
するとあたしの独り言を聞いたのか、「ふっ」と吹き出したのが馬野君。
「なにさ…っ」
男子は信用できないとは思ってるけど、
なんでか色白の頬を少しだけ染めて笑いをこらえる馬野君は、
友達になれる気がして。
いや、そういう油断がいけないのだろうけど……