「ぎちゃん?なんだそりゃ」

俺はわけのわからない現女バス部長の発言を思い出していた。



「あの──」

「は?」



2年の教室棟への階段の途中で、俺は呼び止められた。

告白は受けないと決めてるんだ。
つか、そろそろ半端な付き合いもダルくなってきた。



だから、今回も冷たくあしらおうと振り返ったその時……



驚きで心臓が止まるかと思った。

「これ、先輩のじゃないですか?」

「あ、あぁ」



俺に生徒手帳を差し出してるそいつは、

名前も知らない、あいつだった。