「はい。藤沢部長ですよね?」


「あぁ」



やっぱりなんか言いにくそう。
なんでだろう……?





第2体育館の扉の前で、あたしは少し立ち止まる。



扉の向こうからは、リズミカルなドリブルの音……



急にドリブルの音がなくなった。

……その瞬間



───ズガンッ



あの音。





───ガラ───