「そんなことどうでもいいでしょう?!」 あたしは、震える手を必死に動かして、携帯から救急車を呼んだ。 「……あの子は、もともと心臓が弱くてね…それでもバスケが好きで…」 藤沢先輩のお母さんが、微笑みながらあたしに語ってくれた。 ───大嫌いなあの人のことを。 「バスケ、続けてて大丈夫ですか?」 「まぁ、もう引退の年だしね…好きなこと、できなくなる前に、全力を尽くしてもらいたいって、思ってるの。」