どうして、こんなにも、真っ直ぐに頑張っている人に…こんな…
「こんな…こと…」
温かい手に、安堵しながらも。
それでも涙は止まらなくて。
苦しくて、痛くて、、、こわくて。
「…ぎちゃん。浅葱ちゃん。」
ハッとしたときには、肩に毛布をかけられていた。
「泣きつかれていたみたいだったから…」
「す、すみません…」
「謝ることじゃないでしょう…優しい子ね」
優しくて、強いお母さんだ。
「さっき、先輩に、バスケできるかなって聞かれたんです…あたし…何も言えなくて、、、っ」
藤沢先輩のお母さんは、あたしの震える肩を、同じくらい震える手で、包んでくれた。