バスケ部員は、事情を知らないから、驚いた顔しかできない。当たり前だよ。

救急車に同乗しながら、苦しそうに咳をしている先輩の手を握っていた。



───次に発作が出たら…

いつだったか、藤沢先輩のお母さんが言っていた。
もう、、、バスケはできないかもしれない、と。

下手をしたら命を落とす。
手術が必要なのだとか。


お願い、お願い、お願い。

あたしの大切な人なの。

命だけは、、、どうか。