「好き」
という言葉に、嫌悪感を持つようになったのは、この頃だ。
この言葉は、信用できないから。
そして、あたしの男嫌いセンサーが敏感になったのもこの頃。
友達以上に踏み込まれることのないように、必ず線を引いた。
中学卒業まで、あたしは地味であることに徹しているつもりだった。
中学の同級生が誰も行かない明皇高校を進学先に決めて、高校では楽しくバスケだけを続けようと…決意していた。
それが、あたしの過去。
深く傷ついた覚えはないけど、こんなに鮮明な記憶が残っていて、目の前が歪むくらい、自分の中に残っているんだと思った。