「大丈夫だ」

必死に絞りだした声は、先輩を呼んでいた。

「大丈夫だ」

何度も問いかけて、何度も応えてくれる。

先輩は、いつの間にかあたしの頭を覆うように抱き締めてくれていた。

3人組の目の前なのに、、、

わかっていながら、あたしも離れることはできなかった。


「大丈夫だから」


今日、あの人が…「翔兄さん」が、ここにいることに動揺が隠せない。

先輩の声と温もりだけが、今のあたしを支えていた。

あたしは、こんなに弱かっただろうか。