次の日、あたしは誰よりも早く体育館に足を運んだ。 それからモップがけを何往復もして、体育館を掃除した。 「荒らされた」 「使いたくない」 あの言葉が、頭の中をぐるぐるしていた。 あの言葉が、モップがけを何往復もさせている。 したくないわけじゃなくて、しなきゃ自分を許せない。 「先輩に使ってもらわなきゃ…」 広い体育館を隙間なくモップがけして、おそらく6往復が終わったころ、何人かの部員が入り口に見えた。