「きゃ…」 突然、目の前が暗くなったと思ったら、先輩の大きな手が2つとも頭に乗っていて、あたしの頭をごしごしと拭いていた。 「ちょ…っ」 「俺な、嫉妬深いみたいだ。」 「はい?」 先輩が手を止めたから、あたしは顔を上げた。 「浅葱を誰にもとられたくない、って思った」 あたしの目を見て、少し寂しそうに言った先輩に、ちょっとだけ、胸が跳ねた。