ものすごく、見られてる…

というか、睨まれてる…



そうだ。忘れてた。



この大群の中には、藤沢先輩のファンもいる…ってことを。



「失敗した」

「はい?」



藤沢先輩が呟く。

「少し話がしたかったんだけどな。……あいつらのこと忘れてた」



思わず吹き出した。


「あたしも、忘れてました。全部ビッケ君を見にきてるもんだと…」


「そうそう」

こうやって笑って話しているだけで、視線をビシバシ感じる