部長は、離した手をいつの間にかあたしのあごに添えていて 優美に微笑むと、 その口角の上がった唇を、 あたしのそれに重ね合わせた。 「………?!」 目を見開くけど、見上げる相手の目は開いてなくて。 両手はリングに捕まるので精一杯のあたしは、ただそれを受け入れることしか…… できなかった。